正しいオーラルケアを伝授する仕事「歯科看護師」

患者さんに安全な歯科医療を提供する

歯科医院で働くことが可能とはいえ、個人クリニックで看護師が働く姿はあまり一般的ではありません。歯科での看護師の活躍の場は、口腔外科のある大学病院や総合病院、審美歯科などです。看護師としての知識とこれまでの経験を活かしながら歯科医師と連携し、患者さんが安心できるように安全な歯科医療を提供することが歯科看護師の役割です。口腔がんの手術など歯科の治療の中には全身麻酔を必要とするものもあります。患者さんは治療内容を理解しているとはいえ、まったく不安がない、というわけではありません。しかし、医療知識や病院での経験が豊富な看護師がいることで患者さんは安心できますし、衛生管理の知識もあるためより安全で確実な治療が可能となります。万が一、患者さんに異変が起こっても、専門知識を持った看護師が側にいるため病院側も安心です。

歯科衛生士とは違う

歯石除去や歯科保健指導などの業務を看護師が行うことはできません。基本的に歯科の国家資格を持っている歯科医師や歯科衛生士が専門に行います。なぜなら、歯科衛生士が行うことによって保険点数が加算され、診療報酬が請求できるからです。看護師はそれ以外の業務を行うことになりますが、手術が中心の口腔外科と虫歯の治療が中心の一般外科では業務内容が異なります。

手術のある歯科医院は看護師特有の業務が中心

口腔外科や大学病院など手術が中心の病院では入院管理が必要な患者さんもいるため、病棟では当直や夜勤があります。看護師の主な業務は採血や点滴、静脈注射などの基本的な看護処置や器械出しなどの手術サポート、手術前後の患者さんに対するケア、全身麻酔のアシスタント、バイタル測定、印象採取やバキューム類の操作、歯科薬剤の準備や混和、義歯の扱い方の指導、口腔ケア、急変対応など多岐に渡っていますが、「看護師特有の業務が多い」ことが特徴です。

一般的な歯科医院は歯科特有の業務が中心

虫歯の治療が中心の一般的な歯科では、看護師特有の仕事よりも歯科助手と同じような「歯科特有の業務が中心」です。主な業務は印象採取やバキューム類の操作、歯科薬剤の準備や混和、患者さんの誘導や移動介助、急変対応などです。

歯科医院で働くメリット

歯科医院は病院のように急を要する患者さんはいません。大学病院などでは手術前後の管理も行いますが、急変や死に直面する場面がないのが特徴です。精神的なストレスがほとんどないため、看護師の仕事に疲れを感じている人におすすめです。